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久しぶりの校長メッセージの更新です。前回の更新からずいぶんと時間がたってしまいました。気がつけば、新年度のスタートはそこまで迫ってきています。今回は、進路、あるいは職業について、真剣に考える手がかりとして、著名な職業人の言葉と、一つの事故を取り上げてみました。感想は人それぞれだと思いますが、自分のこととして考え、どこか心に残るものがあれば幸いです。
・・・・・ひとりの著名なIT実業家のスピーチからの引用を中心に・・・・。
「最初の話は、点を繋げるという話です」。数奇な人生経験の後、親に高い授業料の負担を掛けて入学した大学ではあったが、積極的な目的を見出すことのできない大学生活に見切りをつけ、そこを中退した彼は、「その時はとても怖かった。でも振り返ってみるとそれは最良の決断でした」と言う。なぜなら、自分にとって本当に興味と関心のあるカリグラフィ(装飾文字)の世界に没頭し、一見、将来の自分とのつながりは全くなさ・・・・・・そうに思える、しかし「美しく、歴史があり、芸術的に巧妙なカリグラフィの世界に引き込まれた」ことが、その後の彼の人生の起爆剤の一つとなったから。現実に、10年後、「最初にMac(パソコンの一つ)をデザインするときにすべてが蘇って」それは、彼の成功を導くことになった。言えることは「先を見て点を繋げることはできない」、「出来るのは過去を振りかえって」繋がった点を視ることだけなのだということ。「だから、将来の点の繋がりを信じなくてはならない」「点が繋がって、道となると信じることで心に確信をもてる」と彼は言う。
「二つ目の話は、愛と喪失についてです」。小さなガレージの一隅から、友人とたった二人でパソコン製作会社を起こした彼は、「10年間、懸命に働いて社員数千人の企業に」会社を成長させた。しかし、会社の運営方針の対立から、彼は自ら起業したその会社を解雇され、失意のどん底を経験する。しかし、彼はすべてを失ったのではなかった。「拒絶されてもなお、仕事に対する愛情にはすこしの変化もありませんでした」。再出発した彼は、再びPCソフトの開発に没頭し、新製品の開発に成功しただけでなく、その成功を元に、解雇された会社を建て直すことに大きな役割を果たすことになった。後で思えば「人生の焦点であったものが消え、絶望したこと」が、実は「人生最良の出来事」の出発であったと言えることになった。人生には「レンガで殴られたような苦しみに遭うことがありますが」「自分を見失わないで」「自分の行いを愛していれば、止まることなく」前に進める。「最高の仕事をするにはその仕事を愛しましょう」と彼は語りかける。
・・・・・・もう一つ。ある航空機事故の顛末から・・・・・「13秒後のベイルアウト」。
平成11年11月22日航空自衛隊の練習機が狭山市河川敷に墜落。高圧線を切断し、首都圏で大停電発生、被害甚大・・・・・。その時、練習機のパイロット二人は、エマージェンシー(緊急事態)宣言後、ベイルアウト(緊急脱出)を告げるも脱出せず。13秒後、地表近くで生還の望みのない中、脱出装置を作動させ、帰らぬ人となる。この事故を知った、近くの高等学校校内誌から・・・・「二人のパイロットの脳裏をよぎったものは家族の顔でしょうか。それとも民家や学校を巻き添えにせずに済んだという安堵感でしょうか。他人の命と自分の命の二者択一を迫られたとき、迷わず他人を選ぶ、・・・・・・・このような犠牲的精神のなんと崇高なことでしょう」「人間は本来気高く偉大なものなのです」
上の話は、当然のことですが、虚構ではありません。進路とは、単にどの職業を選択し、生計を得るかということではなく、自分の生き方そのものであることや、真剣に、自らの進むべき道について考え、行動することの大切さを雄弁に物語っていると思います。
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